2021.04.20
#渋谷#ニュース#OOH
渋谷スクランブル交差点に隣接する東急百貨店東急東横店(以下、東急東横店)跡地の壁面に、新しい屋外広告媒体「ハチ公ビッグシートファイナル」が2021年3月16日より掲出されました。
以前も同場所には屋外広告媒体がありましたが、新たに設置されたこの媒体は、以前と比べ2倍以上の面積を誇っています。さらに東京都屋外広告物条例に定められたサイズを大幅に上回っており、その規制緩和には渋谷だからこその”屋外広告物地域ルール”の取り組みが関わっています。
エリア最大級の注目メディア、設置に至った秘密を調査しました!
2020年3月、85年以上にわたり渋谷の風景を作ってきた東急東横店の営業が終了しました。スクランブル交差点に面するハチ公側壁面には「ハチ公ビッグシート」の名称で屋外広告が掲出されていましたが、再開発工事に伴いすっぽりと工事仮囲いに覆われ、現在は建物が全く見えなくなっています。この状態を活かして、2021年3月16日に新媒体が新設されました。
以前との大きな違いは、媒体の形状と面積です。
2020年3月まで同場所に掲出されていた「ハチ公ビッグシート」は縦長の広告面が2面セットになった媒体でしたが、「ハチ公ビッグシートファイナル」は1面で掲出でき、さらに面積も約430平方メートル(幅 25.4m×高さ 17.0m)あります。これは「ハチ公ビッグシート」のおよそ2.5倍の大きさに相当します。
このように、まるで渋谷のど真ん中をジャックしているようなインパクトのある広告媒体は、なぜ設置ができたのでしょうか?
そこには「渋谷駅前エリアマネジメント」の取り組みが関わっているようです。
エリアマネジメントとは、民間が主体となって、エリアごとにまちづくりや地域経営(マネジメント)を積極的に行う取組みで、現在では全国各地で行われています。渋谷エリアでは任意団体としての「渋谷駅前エリアマネジメント協議会」が2013年、「一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメント」が2015年に設立され(以下、総称として渋谷駅前エリアマネジメント)、2つの団体が協働し「渋谷が世界一だと思う人をふやす」ことをビジョンに掲げて活動しています。
エリアマネジメント広告は、まちづくりの担い手が景観向上のためのルールに基づき、公道上の屋外広告物を販売し、得られた収益をエリアマネジメントの財源に充てようという事業です。
「ハチ公ビックシートファイナル」が設置された仮囲いは、屋外広告物禁止区域である道路上にあたります。今回、渋谷駅前エリアマネジメントは地域のまちづくりに関わる公民パートナーシップのもと、禁止区域である工事仮囲いへの広告掲出と、サイズ制限の緩和を実現させました。
この媒体を設置した目的を渋谷駅前エリアマネジメントに確認したところ、「渋谷の中心であるハチ公広場・スクランブル交差点の景観が、東京都の中で憧れる景観となることを目指すため」とのことでした。85年間渋谷駅前の景観を彩ってきた東急東横店が解体された後も、街に賑わいを生み出すための仕掛けとして「ハチ公ビックシートファイナル」が設置されたのですね。
街に還元された収益は、道路の清掃費用など、渋谷エリアをさらに使いやすく、盛り上がる街にすべく、まちづくり活動支援に充てられます。この仕組みを活用して渋谷駅前エリアでは新たな媒体設置や情報発信、街区共同イベントなどの取り組みが行われ、まちの賑わい創出と共に自主財源のサスティナブルな取り組みが続いています。
今後も渋谷駅前から目を離せません!
このコラムでは、これからもイベントレポートやインタビューなど、渋谷エリアの最新動向を発信していきます。
渋谷エリアのイベントスペースやユニークベニュー、駅・屋外広告についての情報はPLACEをご覧ください。
渋谷駅前エリアマネジメント公式WEBサイト
https://shibuyaplusfun.com/
ONE-STOP! SHIBUYA コンタクトフォーム
https://eventvenues-shibuya.jp/jp/contact/
磯野 絵璃奈/Erina Isono
コーヒー党の旅好き。広告媒体開発・イベント企画経験を経て、2019年まで渋谷駅周辺再開発(主に地下工事)の広報担当を務める。担当ジャンルは再開発工事関連。
渋谷のイチオシスポットは、夕暮れ時の「渋谷二丁目交差点」。再開発中のビルが折り重なる隠れたビューポイント!すぐ近くの「コーヒーハウスニシヤ」のコーヒーも絶品です。
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